“農業の魅力再発見:水耕栽培が生み出す質とおいしさ”
結論から言うと、質を求めることが他者との違いを作り、お客さんに価値を提供できるから。
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何かしらの価値を生み出し、それを商品として販売するには、必ず”質×量”の掛け算が成り立つと思います。
順を追って説明していくと、
農産物においても、質と量のバランスが常に問われ、どこを狙って生産するかは個々の農家次第。
農業における量とは、単純に収穫量のことで、施設栽培農家界隈では1反(10a=1,000㎡)で何トン達成!とよく言われているもので、生産量の指標として一元的で明確でわかりやすい。
ただ、これは生産者目線での指標で、お客さんにとって量がいくら取れたかは知らんこっちゃない。
一方で質とは、糖度、大きさ、形、香り、色合い、無農薬、有機など、様々な指標があり、各生産者によって違う。つまり、質には選択の余地が広く存在し、生産者の意志が現れる。いわゆる、こだわりというやつですね。
折角、ものづくりをするなら、自分にしかできないもの=質を求めて、こだわって作るのが醍醐味であり、面白さだと思います。
作ったものは自分の意志や価値観を反映したコピーのようなものなので、量を追えば追うほど、その再現度や濃度が薄まる方向に行きやすい。
もちろん、質を落とさず、量があれば良いことに越したことはないですが、あくまでも質>量が根本で
それでは、質とは何なのか?と問われると、それは”おいしさ”と答える。
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実はフルーツトマト作りを始めたきっかけは、今使用している水耕栽培システムを開発した師匠のトマトを食べたときの美味しさに衝撃を受けたから。
農業を始めるのにはそれなりの覚悟は必要だが、これを自分でも作ってみたい!と何か突き動かすものがあり、栽培を始めた。
つまり、自分の行動が大きく変わるくらい、”おいしい”ということの強さや価値を改めてここで認識し、追及していきたいと思った。
そして、その”おいしさ”が将来の目標である海外進出でも存分に価値を発揮するであろうと見込んだ。
”おいしさ”という指標も非常に曖昧で解釈が人によって解釈が異なるので、
フルーツトマトにおける著者の定義を述べると
⑴ 独立した基本味である ”うま味”、”糖度”、”酸味”がバランスしたコク
⑵ 分厚い果肉とジューシーなゼリーが食べ応えのある食感
⑶ 重厚感のある独特な芳香
となり、この3要素が良い食味のトマトだと考えています。
*”糖度が高い=美味しいトマト”では無く、糖度は美味しさを感じられる一つの要素です。
今のところの”質=美味しさ”に対する著者の意見が上記の通りであり、
よりものづくりを極めていくことで、理解を深めていきたい。