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“3選!水耕栽培の良さを知る:水耕農家の経験から学ぶ”

水耕栽培は、植物を土ではなく水中で育て、そのメリットは多岐にわたります。まず、潅水管理が不要で、根が水中に浸かっているため、日々の潅水作業が不要です。養液の状態に対する植物の素早い反応性も水耕栽培の利点であり、適切な対策を即座に行えます。また、水中で栄養分を供給するため、均一に栄養を吸収し、高品質な収穫物が期待できます。更に、水耕栽培は果実の肥大を効果的に促進し、大きな収穫を実現します。これらのメリットにより、水耕栽培は持続可能で効率的な農業手法として注目されており、農業界や食品生産に興味を持つ方々にとって、魅力的な選択肢となっています。本記事では、水耕栽培の利点についてご紹介します。

潅水管理の不要性

白い健全なメロンの根の様子が確認できる

水耕栽培において、顕著な利点の一つは、植物の育成において潅水管理が不要であることです。   通常の土を用いた栽培では、微生物や肥料の存在が複雑に絡み合い、土壌の状態を把握することが難しいことがあります。 

しかし、水耕栽培では、肥料を適切に添加することで、作物に必要な栄養素を確実に供給できます。

植物の根が絶えず水中に浸かっているため、日々の潅水作業は不要で、水のタンクが減った際には補充するだけで十分です。

*実際に現場での養液管理として、1日1回(夏場は2回)タンクの水量を確認して、減った分だけ水と養液を加えるだけです。

この潅水管理の不要性は、水耕栽培の最も魅力的な特徴の一つです。通常の土中では水分がすぐに蒸発するため、植物に適切な水分を供給することが難しく、水の供給に関する心配がついて回ります。しかし、水耕栽培は植物に理想的な地下部環境し、根が水を通して必要な栄養を吸収できます。

さらに、水耕栽培では養液中に栄養分が溶け込んでおり、植物はこれを根で吸収します。この効果により、潅水管理が楽になります。通常の土を使用した栽培では、土の中に均等に栄養分を行き渡らせるのが難しいですが、水耕栽培は水を通して均一に栄養分を提供できるため、根が十分な栄養を吸収し、生育スピードの向上に寄与します。

また、潅水管理の不要性は、従来の農法では土壌の状態や気象条件に左右されがちな問題を軽減します。水耕栽培では人為的に水分管理でき、それが作物の安定した栽培につながります。

養液の状態に早く植物が反応する

葉色が薄くカリウム欠乏の様子のメロン

養液の状態変化が迅速に植物に反映され、適切な対策を都度行えることです。通常の土を使用する栽培方法では、土壌が緩衝材として機能するため、肥料を施してもその影響が植物に現れるまでに時間がかかります。一方で水耕栽培では、植物の根が養液中に直接浸かっているため、養液の変動が即座に植物の成長や状態に影響を及ぼします。

具体的な反応の一例として、養液中のEC(電気伝導度)値が低い場合、植物の葉色が薄くなり、高い場合には葉色が濃くなり、茎の太さや形状にも変化が見られます。これらの変化はすぐに観察でき、栽培者はこれを基に養液の栄養状態を正確に判断できます。また、根が養液に浸かるため、土の中でのような遅れや緩衝効果が少なく、水耕栽培では状況を把握しやすくなります。

また、特定の養液の成分が足りないか過剰であるかを即座に認識し、必要に応じて補充や調整を行うことが可能です。水耕栽培では、EC値だけでなく、養液中のpH(酸性・アルカリ性の指標)や温度といった要因も管理しやすくなっています。これにより、最適な環境条件を保ち、植物の成長を促進することが期待できます。

総じて、水耕栽培における養液の状態に早く植物が反応するメリットは、栽培者が柔軟かつ迅速に対応できます。この特徴は水耕栽培が効率的であり、栽培者が的確な管理を行う上で大きな利点となっています。

果実肥大しやすい

200g前後の大玉フルーツトマト

植物の根が養液に浸かることで果実が効果的に肥大しやすいです。この独自の仕組みにより、植物は自身が必要とする水分を欠かすことなく、養液から効率よく吸収することができ、水分不足の懸念が軽減されます。

例えば、通常のトマトは水分を多く含みます。水耕栽培においては、植物が根を水に浸すことで水の制約を受けず、植物が水分不足になることはまずありません。土耕栽培と異なり、水分供給が一定であるため、果実がしっかりと成長しやすいのです。

特に、フルーツトマトなどの特定の品種は水耕栽培においてその利点が顕著です。通常の土耕栽培では、塩ストレスにより水の吸収が制約され、果実の発育に悪影響を与えることがあります。しかし、水耕栽培では、塩分ストレスなしに植物が豊富な水分を取り込むことが可能となり、結果として一株あたりのトマトの重さが著しく増加します。

統計的なデータでは、水耕栽培におけるトマトの平均重量が通常の土耕栽培に比べて約30%から50%増加することが確認されています。これは、水耕栽培が果実の膨らみを促進し、より大きなサイズのトマトを生み出すことに成功している証拠と言えます。

水耕栽培の特長の一つは、植物に十分な水分を供給しながらも、無理なストレスを与えずに栽培できる点です。果実の肥大に必要な水分がしっかり確保され、高品質な収穫物を得ることが期待できます。これにより、水耕栽培は果物の生育と品質向上において非常に有益な方法となっています。

水耕栽培のメリットについてご理解いただければ、水耕栽培に興味を持つ方々にとって、新たな農業手法への参考になるかと思います。

この記事の著者

Yoshikawa

1994年静岡県静岡市生まれ。
自然豊かな福井県で農業を営む祖父母の影響を受け、生き物に興味を持ち始める。昆虫学研究室にいた大学卒業後は、ミャンマーの閉鎖型植物工場事業に携わるが、コロナとクーデターの影響で事業撤退。水耕栽培で美味しいフルーツトマトを作る師に出会い、技術習得中。人生のテーマは”生き物”と”海外”

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